今日は、ブロックチェーン・スマートコントラクトの可能性のひとつについて深堀って考えたいと思います。
とかく、ブロックチェーンと言えば「中央集権型 vs 分散型」という壮大なテーマでその優位性が語られることがありますが、このことを企業のビジネスに引き寄せて考えなおすと、実は「効率化・コスト削減」に関する聞き慣れた論点であることに気がつきます。
さて?何のことか・・・
順に説明します。この話は2つのポイントを含んでいます。
- ① 業務プロセスの統合による、管理・作業・手数料などの排除
ブロックチェーン・スマートコントラクトで提供するサービスは、既存業務のプロセスを統合・自動化し、「仲介者」や「管理者」に拠らずにサービスを提供する、という改善をもたらすと考えられています。これは別の言葉で言い表すと「業務効率化」です。
- ② システム運用費用の低減
上記のような「業務効率化」をもたらすというブロックチェーン・スマートコントラクトのシステムは、安価なマシンリソース(及びオープンソースソフトウェア)で構築・運用することが可能なため、業務運用コストを抑制することが出来ると考えられています。これは既存システムに対する優位性ですが、別の言葉で表すと「経費圧縮」です。
①仲介業務や管理業務を必要とせずにサービス提供が可能(=業務効率化)
→ 顧客サービスの自由度の向上(サービス提供スピードの向上、低価格商品の誕生)
②システム開発・運用に掛かる経費が低減(=経費圧縮)
→ 新規参入を促進、新規事業者の事業継続性を下支え
冒頭の「中央集権型 vs 分散型」に関する壮大なテーマから一旦は「よく聞く改善の話」に成り下がり、その後一周まわってサービスの革新に関する話に戻って来ました。企業の利益の確保に限った話ではなかったようです。
あらためて、ブロックチェーン・スマートコントラクトは、人々のベターライフにつながってこそ本当の価値を宿すものだと考えます。企業のコスト削減・利益確保という狭い範囲の手段として位置付けると本質を見誤ってしまうのではないかと思うのです。
ところで、仲介不要・ダイレクトサービス化の流れは、これまでもインターネットの発展と共に脈々と続いて来ましたが、ブロックチェーン・スマートコントラクトの登場によって、世界のフラット化がさらに一歩進むと考えられます。これにより、極端に言えばインターネット上のあらゆる業者までもが過去の物になり、個人によるサービス提供の機会が大きく広がろうとしていると言っても過言ではありません。
これまでより一つ上の段階で、企業間の「仲介」や、企業内の「管理」が不要になる世界が訪れようとしているのです。
現在、カウラでは「分散型マーケティングサービス」と「マイクロペイメント市場」の創出に向けたDApps(Decentralized Applications)を試験開発しています。近日中に一般向けのデモンストレーションができるように準備を進めています。
この取り組みは、これまでマーケティングのプロが使用してきた実践的な市場分析サービスを、フラットな取引の世界で、誰もが気軽に利用できるようにする実験的な取り組みです。