6.2 破壊的なビジネスモデルを創生する仕組みの不在

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一方で、新たな課題も生み出しています。IoTデバイスの普及は、“トリリオンセンサーの革命・衝撃“と言われ、発生するデータを集め、処理するための消費するエネルギー(主として電力)が膨大になる。また、シェアリングエコノミーに代表される社会資本(資源)を有効に使う取組が提言されています。例えば、車の運転時間の平均は60分/日前後で、殆どが駐車しているのです。移動すると言う価値時間が極端に少ないのです。この効率を上げるためにMaaSやシェアリングエコノミーが提案されています。使用価値提供への抜本的なシフトです。

こうした取り組みをさらに加速するために以下の5点の提言をしたいと思います。
1. 経営トップの理解促進(Meetup,ハッカソンなど意志決定権者の参加が少ない)
2. ICT/IoT戦略投資の活性化(投資が少ない)
3. グローバル・ニッチのニーズ・キャッチアップへの貪欲な挑戦(挑戦する企業が国内から海外に移動している)
4. 新しい価値創造力の強化(自由な発想が生まれない硬直化した組織)
5. 企業組織従業員が新環境に積極参加可能なインセンティブ等の整備(思い切ったインセンティブを与えていない)

「破壊的技術(disruptive technology)とは、従来の価値基準のもとではむしろ性能を低下させるが、新しい価値基準の下では従来製品よりも優れた特長を持つ新技術のことである。また、このような技術、製品、ビジネスモデルがもたらす変化を破壊的イノベーションという。」

DXで破壊的イノベーションを標榜する企業が増えていることは望ましい事です。