エネルギー・ブロックチェーン入門シリーズを公開
はじめに
仮想通貨(暗号資産)の基盤としての利用から始まったブロックチェーン技術の用途は、金融から非金融へと広がり、 トランザクションにより生み出される価値は、取引から効率的なデータ共有、さらに契約・ビジネスプロセスの自動実行などへと 多様化しています。 本連載記事では、特に非金融分野ビジネスの関係者が、ブロックチェーン技術についての調査、導入検討、実証実験やアプリケーション開発 を実施する際の参考として、可能な限り最新の情報を提供することを目的としています。
日本におけるエネルギー政策全体の大きな変化を実感させるできごとの一つが、2020年7月に政府によって明らかにされた方針の発表です。そこでは、非効率な石炭火力発電所の段階的な削減の検討や、再生可能エネルギーの導入を加速するための基幹送電線の利用ルールの抜本的見直しが示され、脱炭素化の実現に向けての道筋がさらに固まってきました。この分野のデジタル化を実現できる大きな原動力となり得るものの一つに、ブロックチェーン技術があります。
本連載の今回からの第5回までは、エネルギー市場、顧客、資産、および既存のエネルギー部門のITシステムおよびオペレーショナル技術システムを接続するための技術的な基盤を提供するものとして、Energy Web Foundation (以下、『EWF』)の最新情報を中心にご紹介します。EWFは、グローバルなエネルギーコミュニティからのビジネス要件と技術要件に基づいて、エネルギー業界でのブロックチェーン技術を推進しています。 弊社 カウラ株式会社は、 2020年3月からEWFメンバーとなりました。
また、ブロックチェーン技術に日頃なじみの無い人を対象に、個別の技術的な内容について適宜、ご説明いたします。