EVアカデミー2023春「ブロックチェーン技術のEV市場への適応」で申し上げた、”製造業の常識(価格)を変えるサービス(料金)で“新しい経済圏”が出来る”は、もはや少々古い概念です。
①EVの価格モデルは既に料金モデルに変化している。
・車の再定義の結果、利用形態はMaaS(Mobility as a Service)に代表される料金モデル(サブスクリプション)も選択肢になっており、それを支えるSaaS(Software as a Service)も同様に変化が起きています。
②「EVバッテリーの証券化」は典型例
EVを構成する3つの要素、モータ、インバータ、バッテリーの内、バッテリー証券化により劣化対応、二次利用により価値が増えて市場形成がなされています。このモデルは中国企業を始め散見されます。
更に、EV車に関わるサービスの複雑さにも対応しています。ユーザは、サブスクリプションを利用し、利用料を払うだけで数々のサービスが受けられる利点が生まれます。
③EV関連市場では、”製造業の常識を変えるサービスの提供で“新しい経済圏”が出来つつある。
車の再定義で、新たなサービスが出現している。
・EV生産方式:短期間開発、インフレ抑制法の影響、生産量など
・脱炭素:非財務諸表記載、CFPシュミレータ
・税制:走行税
・リース:性能保証
・保険:テレマティクス保険
・電力:最適充電サービス、アンシラリーサービス
・IT企業:LCAプラットフォーム開発、データ流通基盤
〇地政学的に各地(欧州、中国、北米、日本、アジア)の規制の理解が必要。
④SaaSは、既に料金モデルに移行している。
従来モデルの他に選択肢が増え、オープンソース、クラウド、プラットフォームを利用してビジネスに参入する事が出来ます。
階層 | 構成要素 | 選択肢 |
階層-1 | サーバ、ストレージ、ネットワーク | クラウド |
階層-2 | OS、ミドルウェア | オープンソース クラウド |
階層-3 | アプリケーション、データ | オープンソース クラウド プラットフォーム(データ信頼性担保、データ流通) |
⑤データ中心社会到来
EVの出現を端緒にして経済価値を持つデータの存在が顕在化され、MaaSを支えるSaaS(資源を使い切る技術で構成される循環型経済プラットフォーム)に増々期待が高まります。
今後は、バッテリーの診断・保証データを継続的に採取した”安全性を担保したサービス”の需要が増えて行くと思われます。