“蓄電池の地政学” 10年前に米国東部で起きた蓄電池ブームには、米国の強さが凝縮されている|日経エネルギーNEXT

第6回

▶ 10年前に米国東部で起きた蓄電池ブームには、米国の強さが凝縮されている

今から10年近く前、2014~2016年ごろに米国東部で系統用蓄電池の導入ブームが起こっていた。当時はインフレ抑制法(Inflation Reduction Act, IRA)(前回記事参照)やFIT(固定価格買取制度)のような助成策もなければ、再生可能エネルギーの大規模導入に伴う定置式蓄電池のニーズも顕在化していなかった。この状況で、なぜ市場を立ち上げることができたのか。第6回となる今回は、この事例を基に系統用蓄電池の分野で、米国が蓄電池産業の発展に必須である需要創出と市場開発をどう行ってきたのかに焦点を当てる。

▶大串 康彦=産業戦略アナリスト /カウラ社 電力・エネルギー・スペシャリスト

[連載]蓄電池の地政学