ブロックチェーン利用の個人データ記録管理フレームワーク “Document Eigen Framework”を開発

開発の背景

Kaulaは2016年から米国Factom社の独自の自律分散型台帳技術を利用したブロックチェーン・ソリューションの開発を国内でいち早く行ってまいりました。Factomはドキュメント・データの記録管理並びにドキュメント・データをベースにしたプロセス処理を効率的に行うことができ、これまでに保険や医療などの文書管理システムや土地の所有権など公的な記録管理システムに適用されています。昨年にはマイナンバーのアクセス記録の管理アプリケーションへの取り組みをご紹介しました。(https://kaula.jp/ja/2017/06/13/factomwithatrris/

また、Kaulaはドキュメント・データの記録管理アプリケーションのひとつである「自己管理型」個人データの管理システムの構築に取り組んでまいりました。これは、個人本人が登録した個人データを、本人が任意に、自己管理のもとに、サービス提供者に対して利用を許可できる仕組みです。

このなかで、自己管理型個人データの管理アプリケーションに共通のコア機能を抽出し、アプリケーション構築用のフレームワークDocument Eigen Framework「DEF」を開発いたします。

事業者様は、同フレームワークを使用して独自のアプリケーションを構築・運用することができます。保存されたドキュメント・データの記録の改ざんや消失を排除することができ、記録の一貫性と透明性を担保できます。更に、個人情報を保護することができます。

製品の特長

同フレームワークは、個人データのハッシュ値などをブロックチェーン上に保存し、個人データの存在の証跡を確保すると同時に、改ざんを排除します。
第三者への個人データの開示にあたっては当該の個人が責任を負い(自己管理型)、適切なアクセス権を付与し、同時にプライバシーを確保します。また、自己管理モデルの拡張としての信託モデルもサポートします。

Document Eigen Framework構成図

機能概要

  • ドキュメントとデータの記録管理
  • ドキュメントとデータへの アクセス権の管理
  • ドキュメントとデータの 変更管理
  • プライバシーのサポート(*GDPR対応)

*GDPR(General Data Protection Regulation : EU一般データ保護規則)は、2018年5月に施行されるEU居住者の個人データの保護に関する新しい規則。
個人データの処理と移転に関するルールを定めている。

今後の展開

KAULAは、同フレームワークを利用したアプリケーションの第一弾として医療記録向けに特化した「メディカルパスポート(MedicalPassport)」の実証実験およびそのリリースに向けた取り組みを行っております。
メディカルパスポートは、利用者が登録した健康や医療に関わる各種データ(以下、保健データ等)を利用者が任意で医療機関や各種サービス提供者へ提供できる仕組です。

DEFを利用することで、ブロックチェーン、個人データの管理、データへのアクセス管理、プラバシーの保持などの特長をもつアプリケーションの開発およびサービスの提供が可能となります。

今回、メディカルパスポートの開発および実証実験において、パートーナー様を募集いたします。

  • 提供開始:2018年6月下旬
  • 提供形態:月額利用料を申し受けます。

また、その他の種類の自己管理型個人データアプリケーションの構築はお問い合わせください。