新刊 『モビリティ・エコノミクス~ブロックチェーンで拓く新しい経済圏』

MOBI理事/伊藤忠総研上席主任研究員の深尾氏の著書が発刊されました。
カウラが開発しているBRVPSの事例が第5章「車載電池のライフサイクルマネジメントを強化する」が掲載されております。


このたび、10月15日に日経BP 日本経済新聞出版本部様から、当方2作目のビジネス書を上梓する運びとなりましたので、ご案内いたします。 

ニューノーマル・ウィズコロナで注目度高まるブロックチェーンxモビリティ 

前作『モビリティ2.0~「スマホ化する自動車」の未来を読み解く」を出版してから、ちょうど2年となりました。このわずか2年の間でも、業界の大変革、そして新型コロナウィルスのパンデミックと、自動車・モビリティを取り巻く環境は激変しました。 

本書では、当方が理事を務めます、モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアティブ(MOBI)での活動や、世界中のブロックチェーンのフロントランナー達への取材を基に、次世代モビリティ(CASE&MaaS)の早期収益化及びスマートシティ構築の切り札として、ニューノーマル・ウィズコロナでもより一層グローバルで注目度が高まっている、「ブロックチェーンxモビリティ」の最前線について執筆しました。 

日本と日本自動車産業に提言を示す「日米合作本」 

また、今回は、MOBI共同創設者兼CEOで、元トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)のCFOであったクリス・バリンジャー(Chris Ballinger)と共著した、「日米合作本」という初めての試みとなっております。 

なぜモビリティにブロックチェーンという新しい技術・概念が必要か、なぜ自動車・モビリティ・スマートシティに関心を持つ世界中の組織がMOBIという国際コンソーシアム(共同体)を形成しているのか、なぜニューノーマル(新常態)・ウィズコロナの時代にはブロックチェーン社会の発展が加速し得るのか等々、ブロックチェーンの黎明期をみてきたクリスの興味深い話も載せました。 

『ブロックチェーンxDXで新たな「日本モデル」を』と題した、当方とクリスの対談も掲載しております。最終章では、日本と日本自動車産業への提言もさせて頂きますが、新政権が注力する、デジタル化の推進、スマートシティやサーキュラーエコノミー(循環型経済)の構築、地域経済の活性化といったテーマで、国・地方自治体・企業がいかにブロックチェーンxモビリティを活用し、新しい経済圏を創造するか。そのノウハウや議論のたたき台も提供します。 

ブロックチェーンはデジタルツインやスマートシティの基盤技術に 

自動車メーカー、サプライヤー、流通のすべての業界関係者の皆様にとって、有益なブロックチェーンのユースケース(活用事例)をご紹介しております。また、ブロックチェーンの基本技術・概念や、ブロックチェーンがデジタルツインやスマートシティの基盤技術となることなどについて、自動車・モビリティの関係者以外の方でも、興味深く、かつ、読みやすい文章で書いております。 

本書発売日と全国展開 

本書は、10月15日夕方から、首都圏の大型書店で並び始め、翌日以降1週間程かけて、日本全国の書店に展開されます。すでにEコマースサイトでの予約受付も始まっておりますが、できましたら、書店でご購入頂けますと幸甚です。当メールに本書の書影を添付いたします。 

なお、まとまった部数(10冊以上)を購入希望される方は、当方にご連絡下さい。発売後スムースにお届けできるよう、手配いたします。 

講演・マネジメント向けセミナーのリクエストを受け付けます 

最後に、前作同様に、本書の内容のみならず、自動車・モビリティ・ブロックチェーン全般についても、講演やマネジメント向けセミナー等のご依頼を、日本全国から受け付けます。是非ご用命ください。 

渡航可能となれば、海外講演(英語可)もさせて頂きます。前作出版後は、とりわけ中国・インドを含むアジア各国で数多くの講演をさせて頂きました。現在はMOBIの理事として、アジア全域のMOBIコミュニティと連携しており、アジアの自動車・モビリティやスマートシティの関係者と最新情報を共有しております。今までとはまた違った切り口と鮮度で、情報・オピニオンを提供できますので、お気軽にお声がけください。もちろん、ウェブ講演での対応も可能です。 

以下、本書の概要になります。 

よろしくお願いいたします。 

書籍概要 

『モビリティ・エコノミクス ~ ブロックチェーンで拓く新しい経済圏』 

著者:深尾三四郎、クリス・バリンジャー 

発売日:2020年10月15日 

単行本(ソフトカバー):345ページ 

定 価:2,000円+税 

出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部 

ISBN:978-4-532-32365-3 

内容(表紙カバー帯より) 

MaaS & CASE収益化へのラストピース! 

デジタルツインの実用化、進化するサプライチェーン、スマートシティの創造、モビリティのデータマーケットプレイスの誕生…ウェブ3.0時代の最先端動向を解説。 

世界最大のコンソーシアムのトップが語る! 

目次 

まえがき クリス・バリンジャー 

プロローグ スマートシティの構築と持続可能な発展を促すブロックチェーンモビリティ 

第1章 規模の不経済性に陥る自動車メーカー 

1. 世界の自動車生産台数はもう増えない 

2. 取引コストの増大が規模の不経済性の主因 

3. 「儲かりMaaS」にはブロックチェーンが必要 

4. ブロックチェーンの社会実装を急ぐ世界自動車産業 

第2章 自動車産業にもウェブ3.0時代の到来 

1. 5Gがもたらすブロックチェーン社会 

2. デジタルツインの基盤技術はブロックチェーン 

3. デジタルツインがMaaS、CASEの収益化をもたらす 

4. ブロックチェーンがシティをスマートにする 

第3章 ブロックチェーン、500年に一度の革命 

1. 簿記革命と情報革命 

2. SDGs達成を加速させるブロックチェーン 

3. ブロックチェーン革命を知る上でのキーワード 

コラム – ブロックチェーンの技術概要 

第4章 サプライチェーンのレジリエンスを高める 

1. コロナショックはサプライチェーンショック 

2. 隠れた技あり中小企業に活躍のチャンス 

3. 持続可能な生産と倫理的な消費を実現する 

4. 3Dプリンターを活用したウェブ3.0企業は誕生間近 

第5章 EVはコネクテッドカーからコネクテッドバッテリーへ 

1. 社会インフラとしての価値が高まるEV 

2. スマートシティとスマートグリッドで不可欠なEV 

3. 車載電池のライフサイクルマネジメントを強化する 

第6章 レモンをピーチに 自動車流通の進化が加速 

1. 情報の非対称性を解消 保険が変わる 

2. 中古車市場の健全化と新徴税システムの構築 

3. 完全オンライン化 モーターショーから新車の「置き配」まで 

第7章 「コモンズの悲劇」を解決するデータマーケットプレイス 

1. 人間中心のインセンティブデザインで公害を減らす 

2. 走りながら稼ぐ車 – モビリティのデータマーケットプレイスの創造 

3. 新しい「移動経済」の創造 – スマートシティと循環型経済の実現を追求 

第8章 スマートシティの構築と地域経済の活性化 

1. 全域で導入プロジェクトを推進する欧州 

2. ブロックチェーン強国を目指す中国 

3. ブロックチェーンハブを狙う台湾 

4. アジア各国で進むブロックチェーンモビリティ 

5. スモール・イズ・ビューティフル 日本への提言 

対 談 クリス・バリンジャー/深尾三四郎 ブロックチェーン×DXで新たな「日本モデル」を 

あとがき 深尾三四郎 

著者・MOBI紹介 

深尾三四郎 

伊藤忠総研産業調査センター 上席主任研究員 兼 

モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアティブ(MOBI) 理事 

1981年東京・目黒生まれ。98年に経団連奨学生として麻布高校から英ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)のアトランティック校(Atlantic College)へ留学。00年に同校卒業後、独フォルクスワーゲンのヴォルフスブルグ本社でインターンシップを行い、自動車産業に関心を持つ。03 年英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)を卒業、二酸化炭素排出権取引と持続可能な開発(Sustainable Development)を学び、地理・環境学部で環境政策・経済学士号を取得。同年野村證券入社、金融研究所に配属。05 年から英HSBC(香港上海銀行)での自動車部品セクターの証券アナリストに従事し、08年米StarMine(Thomson Reuters) Analyst Awards日本自動車部門2位受賞(銘柄選別)。09年から米国及び香港のヘッジファンドで日本・韓国・台湾株のシニアアナリスト。機関投資家としてスマートフォンの黎明期と液晶モニター、太陽電池の進化を目の当たりにした。浜銀総合研究所を経て、19年8月より現職。MOBIでは19年8月に顧問(Advisor)、20年1月に理事(Board Member)に就任。日本コミュニティの活動を統括し、アジア全域の会員拡大にも貢献。国内外で自動車産業とイノベーションに関する講演、企業マネジメント向けセミナーを多数実施。著書に『モビリティ2.0~「スマホ化する自動車」の未来を読み解く』(日本経済新聞出版社、2018年)。 

クリス・バリンジャー Chris Ballinger 

モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアティブ(MOBI) 共同創設者兼最高経営責任者(CEO) 

1957年米ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。80年米アマースト大学(Amherst College)卒業。レーガン大統領経済諮問委員会で国際貿易のエコノミストを務めた後、85年米カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)で経済学の修士号を取得。金融工学の専門家として米バンク・オブ・アメリカでシニア・ヴァイス・プレジデントを務める。08年から17年までトヨタ自動車の金融子会社であるトヨタモータークレジット(TMCC)で最高財務責任者(CFO)。14年から17年まではトヨタフィナンシャルサービス(TFS)でグローバルイノベーション部門のトップ(Global Head of Innovation)を兼任。17年からトヨタリサーチインスティテュート(TRI)でCFO及びモビリティサービス部門長(Head of Mobility Services)として、次世代モビリティサービスの構築に従事した。TRIを退職し、18年5月にMOBIを創設。国際カンファレンスで自動車及びブロックチェーンに関する基調講演を多数実施。 

モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアティブ 

Mobility Open Blockchain Initiative (MOBI) 

2018年5月2日に設立された、モビリティにおけるブロックチェーン、分散台帳技術及び関連技術の標準化と普及を推進する世界最大級の国際コンソーシアム・非営利組織(NPO)。全世界に100以上の会員企業・組織を抱え、メンバー企業が中心となった分科会(Working Group)の運営、全世界での国際会議(Colloquium)の開催、SNSを活用した教育・啓蒙活動を行っている。「輸送をより環境に優しく、より効率的で、そして、誰にとってもより身近なものにする(Make transportation greener, more efficient and more affordable)」をモットーにする。